チドリミドリガイはその側足の内側に葉緑体を溜め込んでいて、光合成させていることが知られています。拙著ではなんと共生藻となっていますが、これはえらいマチガイです。原稿では葉緑体と書いたのですが。嚢舌目は確かにソーラーパワーを利用するものが多いのですが、エサは植物の細胞内容物であり、そこからの葉緑体を消化せずに活用するわけです。
山渓の「サンゴ礁の生きもの」でも共生藻、や中山書店の「動物系統分類学」では単細胞藻類という記述になっていました(今はどうかわからないけど)。私もウミウシガイドブック(黒い本)まではそう信じておりました。でもあるときSea Slug Forumを見ていて、chloroplastsという語が出てきて、あれ?と思ったのがきっかけでした。これが葉緑体。単細胞藻類はsingle-celled algae (zooxanthellae) 。
単細胞藻類をどこから取り込む?現在はある種のウミウシで海中から直接取り込んでいるのではないかという例も見つかっていますが、進化的見地からこれはそうなる以前に刺胞動物などから得るというステップを踏んでいるはず。つまり、共生藻のホストを食べなくてはなりません。共生藻のホストが植物である例を私は知りません。マトリョーシカ(笑)
さて、実際の光合成ですが側足をびろ~んと広げて光を受けているわけではありません。どこで読んだか側足のスキマで光量の調節をしているという説もありました。でもスキマが空いているのすら見たことが無い。みんなしっかり閉じていました。側足の合わせ目の上に砂まで被っているものも少なくありません。

ということはそのまんまでは光量が強すぎるくらいなのだろうなあ。紫外線がいやなのだろうか。砂なども含めた遮蔽物でうまくやっているのでしょう。光量変化と生産物量の偏移なんて論文ありそうだけど、だれか書いたかな・・・

今日は静かな海です。ちょっと行ってみたいけど、ダイドコの水道のノブのパッキンがお釈迦になって、修理を頼んでいるので家を空けられない・・・ しかたがないのでウミウシのことをたくさん考えて、こんなに長くなってしまいました。